電人茶房

♪ざぼーが♪が適当な日常(ライブ観覧や映画鑑賞したこと)を語る、なんてことないブログ

複製された男

以前、なにかのきっかけであらすじを知って、「クローン?同一人物?」とか「人生交換」などのイメージから「藤子・F・不二雄」のSF短編へとつながったため、ずっと気になっていました。

しかしながら、上映館が少なそうな感じだったので、なかばあきらめていたのですが、なにげに映画館のサイトを見ていたら、わりと近場で上映しているとの情報を見かけたので、勢いで観に行ってみることにしました。

あまり書くとネタバレになりますが、苦悩する主人公が別の生き方をしている自分(うり二つの存在)を見つけたことにより、いても立ってもいられず行動した結果どうなったか・・・という感じのストーリーでした。

とにかく導入部から「エロス」「蜘蛛」「母親」のイメージをふんだんに織り交ぜられていたので、そこから「淫猥」「嗜虐」「束縛」「責任」などのイメージを持ちつつ見入っていたのですが、ラストシーンのアレを見てそのままエンディングという流れだったので「えっ?」って感じで、見た直後ちょっと呆けてました。

なぜかというと、作り手から「ここまでの事は伝わっただろ?あとは自分で想像してみな」って言われて放り出された感じがしたからなんですよね。「なにか物足りない」「想像力が足りないのかしら?」とか思って、しばらくポカーンとしていました。

その後、なんとか落ち着いたところで、感じたところをまとめようとすると、「今まで人生(女性)からは抜け出したけど、別の人生(女性)にからめとられてしまった」という感じの終わりだったのかなと思いました。主人公は、元から持っていた性的な渇望(欲求)からは抜け出せなかったのかなあとか、別の人生を覗き見たいという興味本位の気持ちから、後悔しながらも別の人生への岐路を欲望のままに堕ちていく感じの終わり方だったような気も・・・うまく言えないけど、とにかくモヤモヤしてます。

別に主人公に幸福を得て欲しかったわけじゃないし、なんだったら「実は主人公の妄想や幻覚だった」とか「ひとりの二重人格者による二重生活だった」というサイコなオチが来るのかなーなんて、実際、フリと思われるシーンなんかもあったこともあり、観ている途中にそんなことを想像していたので、「あれ?なんか思ってた終わりと違う」みたいな残念感もあったからかなあ。

ちゃんとオチがついた映画を見慣れているからか混乱しますね。たまにはこういう十人十色な感想が持てる映画を見てみるのもいいのかなとも思いますが、語り合う相手がいない状態だと気持ちの決着をつけるのが難しいです。とにかく悶々としてしまいますね。

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複製された男 (ポルトガル文学叢書)

複製された男 (ポルトガル文学叢書)