クラウドファンディングのサポーターになってみて思う事
日本でも「クラウドファンディング」という仕組み・サービスが広まったことによって、一般的な流通では手に入らないであろうものがサポート(資金の支援)という形で入手という、良い環境になってきました。
その一方で、サポートに対するリターン(結果出しやお礼)が遅れる・提供されないという、致命的な状況を引き起こしている例も少なくありません。
あとで例に出しますが、プロジェクトオーナーによっては、遅延に対する釈明やフォローもサポーターから求められているにもかかわらずほとんど行なわないなど、「いままで築き上げてきた関係性や信頼が無くなるという危機感は無いのか?」と疑うレベルの方もいます。
そのため、クラウドファンディングで実際にサポーターを経験してみた経験で言うと「スケジュール管理」・・・いわゆるプロデューサーやディレクター的な役割を経験している人がかかわっているかどうかが、問題を事前に察知する為の重要な判断基準になると思いました。
実際、執筆者(クリエイター)がプロジェクトオーナーになっている場合、「クオリティ向上」「一度描いたけど作り直したい」「別の作品で忙しい」という、サポーターにはなんら関係ない言い訳をされる方も多かったです。
というわけで、自分が体験した事例をいくつかピックアップしてみます。
興味があってクラウドファンディングに参加する場合の参考にしてみてください。
期限を守った優秀な例(公約通りなのでこれが普通)
【「KICK START GENERATION」公演映像化計画】
- サイト:CAMPFIRE
- プロジェクトオーナー:OVERDRIVE
- コメント:目標金額達成時間が約5時間半。調達金額最高額達成(達成当時の記録)などでネット界隈でも話題にもなったプロジェクト。立案者のbamboo氏(OVERDRIVE)による事前のニコ生等による地道な宣伝活動および、既存のクラウドファンディングの研究成果が発揮されたものと思われる。本プロジェクトでは、ストレッチゴール設定も行い達成されているが、それでもリターン期限はきっちり守られている。さらに、映像化にともなうイベントを行うなど、サポーターだけでなくファンにも満足できる内容となった。
ちなみに本件をきっかけにbamboo氏はネットニュースにも取り上げられ、以降のクラウドファンディング案件でも、数々の成功を収めていることで知られています。
期限が守られていない例
【☆よしみる『メタルスレイダーグローリー』描き下ろしプロジェクト】
- サイト:FUNDIY
- プロジェクトオーナー:☆よしみる
- リターン期限:2015年10月予定
- 遅延理由:「(リターン期限はあるのに)締切が無いので、自分が納得のいくものが描きたい」との発言あり。延伸理由の公開や進捗状況の報告をサポーターから再三求められているが、ぼんやりした回答しかせず、対応も悪い。そのわりに、自身のTwitterでのゲームの宣伝活動や同人活動の告知、エゴサーチによる返信などはマメに行われているという不思議な状況。
【三浦みつる「バック・トゥ・The♡かぼちゃワイン」新作短編描き下ろしプロジェクト】
- サイト:FUNDIY
- プロジェクトオーナー:三浦みつる
- リターン期限:2015年12月予定
- 遅延理由:サイン色紙などのリターンは先行して行っていたため当初順調だったが、2015年11月にとびこみの原稿執筆依頼が発生。依頼内容が被災した方へのものなのでどうしても断れないとのことで、期限延伸を発表。その後(2016年5月末)、「物語後半のネームの書き直しをしたくなった」との話になり、さらに期限が延伸された。(期日については触れられていない)
【叶 精作『自選フルカラー美麗イラスト画集』自主制作プロジェクト】
- サイト:FUNDIY
- プロジェクトオーナー:叶 精作
- リターン期限:2016年4月予定
- 遅延理由:「連載の合間に作業をしているため」との報告あり。叶先生レベルの方なら、連載部分などでスタッフに任せられそうな部分も多いと思うが、そのあたりの環境や状況が非公開のため不明。
#この話に続きを書いてみたので興味があれば。